淡い青色が飛び込んできた。
「もうやめてください!」
さよ子がおれに抱き着いて、おれの動きを封じた。
華奢な年下の女の子にぶつかられるくらい、大した衝撃でもない。
でも、おれはふらついて、立ち止まった。
「どいて。邪魔。おれは、やっておきたいことが、あって……」
何でだろう? 声がうまく出なくて、言葉が切れ切れになる。
しかも、喉も手も胸も震えて、膝まで震えてきて立ってられなくなって、おれはへたり込んだ。
さよ子がおれの顔をじっと見ている。
そのはずなんだけど、おれにはさよ子の顔がよく見えない。



