おれの胸元で朱獣珠が熱っぽく鼓動する。
何か言ってるんだけど、聞こえない。
因果の天秤が、何だったっけ?
だけど、ラスボスを倒さないことには、四獣珠は安心できねぇだろ?
おれは、やるって決めたんだよ。
コツつかんだ気がするんだ。
寝てて意識がない状態なら、たぶん操れるよ。
そいつが自分で自分の始末つけるんだったら、誰も手を汚さなくて済むんだし、それでいいじゃん。
「そこどけ、煥。邪魔だ」
煥がかぶりを振る。文徳が煥の隣に立つ。
朱獣珠が騒ぐ。
聞こえない。泣き声が邪魔をして、四獣珠が共鳴する言葉が聞き取れない。



