煥はおれを振り返った。
「親が死んだくらいじゃ、親子の縁も血のつながりも消えてなくなりやしねぇよ。
それがいいことか悪いことかは別として、自分がここにいるのは、親が自分を生んだからだ。
その事実は何があったって引っ繰り返らないし、誰に命じられたって壊せるもんでもない」
か細い泣き声が少し大きくなった。
声のほうを向くと、姉貴が顔を覆っている。
海牙と鈴蘭が姉貴の両側にいて、姉貴の震える肩や背中が凍えないように、そっと手を添えている。
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