調整も何も利かないおれの大音量の言霊にさんざん脳ミソをぶん殴られてヘロヘロになりながら、文徳は立って、声を張り上げて、おれを叱った。



「理仁、そうじゃないだろ!

おまえは、本当は、人を殺したいなんて望んでない。父親を憎んでしまうこと、本気で苦しんで悩んでるだろ。

こんな終わらせ方でいいはずないんだ!」



煥が、親父の右手からナイフを奪った。


親父は目を見開いてガクガク震えながら、まだ号令《コマンド》の影響下にあって、煥からナイフを奪い返そうとする。



スッと体を沈めた煥は、つかみ掛かる腕をかいくぐって、真下から親父の顎を殴り上げた。


親父は昏倒する。