【喉を突け。そのナイフで自分の喉を突いて、死ね】
誰かが、か細い泣き声を上げている。
肺が焼け付くように熱くて、ギュッときつく引き絞られて、息が苦しい。
相変わらず血が沸騰してるみたいで、視界まで蒸気に曇ってくみたいで、頭がガンガンする。
ああ、ちくしょう。
さっさと終わらせたいんだよ、こんな茶番。
死ねっつってんだよ。
テメーなんか、おれの人生に必要ねぇから。
【突け! そして、朱獣珠のこともさっさと忘れて、とっととこの世から退場して、親子の縁なんか消えてなくなれ! テメーとの血のつながりなんか……】
おれの力場を、いきなり叩き壊した声がある。
「もうやめろ、理仁!」
文徳だ。



