海牙はバックステップを踏むと、軽く放ったヘルメットを目掛けて、しなうようなキックをぶち込んだ。
ヘルメットがシャッターに衝突する。
ダメージの上乗せを狙って、海牙はさらにヘルメットを蹴り付ける。
たちまち、頑丈なはずのシャッターがへこんだ。
べごんっ、と変な音が鳴る。
海牙がまたヘルメットをぶつける。がぅんっ。
鞭みたいな回し蹴り。がごんっ。
うっすらと、シャッターにひびが入る。
バイクを降りた煥《あきら》が、銀髪を弾ませて駆け付けた。
「協力する。下がれ!」
右の手のひらを前方に突き出す。その正面に白い光が生まれる。
光は、手のひらより一回り大きな正六角形になる。
海牙がパッと退いた。煥がそのぶん、滑るように前に出た。



