おれは、こぶしをきつく握って言った。



「力を貸してほしいんだ。こうして四つの宝珠が集まったのは、朱獣珠がSOSを出した結果だと思ってる。

もし力を貸してくれるんなら、みんなにはイヤな仕事に協力させることになるんだけどさ。お願い。助けて」



祈るような気持ちだった。


海牙と煥が同時に言った。



「今さら後には引けない」



声が重なったことに驚いた様子で、海牙と煥はお互いを見た。


海牙は笑みを浮かべて、煥はそっぽを向いた。



鈴蘭がいくらか和らいだ表情をして、「わたしも」とうなずいた。



いつの間にかおれから少し離れていた文徳が、もう一度、おれの両肩をつかんでおれと向き合った。


それから、黙っておれの背中に腕を回して、ポンポンと、ちょっとだけ荒い手つきで叩いた。