おれは口を開いた。



「前もさ、四獣珠を呼び集めたのはおれんとこの朱獣珠かもしれないって言ったことあったと思うけど、

あのね、事情を話したい。そして、一緒に戦ってほしいんだ。うちの親父を倒すために」



誰も異議を唱えない。姉貴もおれを止めようとしない。



予知夢の中で、この瞬間に似たシーンを見たことがある。


何度も挑戦した。何度か失敗した。


結末の前に目覚めたこともある。


今ここで進んでいく現実のストーリーは、果たして、どこまで行けるんだろうか。



おれは語り起こす。



「あいつさ、うちの親父のことだけど、もうまともな人間の精神をしてないと思う。おれが生まれてからずっと、あいつが朱獣珠を管理してた。

おととし、自分で調べてみるまで、おれ、朱獣珠が自分に属するものだって知らなかった」