電子音声は繰り返す。 〈娘の命が惜しくば、平井鉄真が不当に収集し、保持している宝珠と引き換えにせよ〉 おれはとっさに姉貴の顔を見た。 姉貴も、髪を振り乱す勢いでおれのほうを向いた。 鏡をのぞいた気分だ。 おれもきっと姉貴と同じ、怒りと戸惑いと憎しみと不信感の入り混じった真っ青な顔をしてると思う。 電子音声はただ、同じ要求を繰り返している。 〈娘の命が惜しくば、平井鉄真が不当に収集し、保持している宝珠と引き換えにせよ〉