女の子の頬が真っ赤に染まっている。


キレイな形のピンク色の唇に、繊細そうに長いまつげ。


校章の色を見るに、一年生だ。


入学したてで、まだ化粧すらしてない。



姉貴とは違うタイプだけど、この学校で出会った中では最高の上玉だ。


本能的に、さわりたい、と思った。



【ねえ、きみさ、おれとデートしない?】



しようよ、デート。


学校なんか抜け出してさ、どっか行こう。


いや、校内でもいいよ。


誰も近寄らせないように号令《コマンド》かけるから、二人っきりで遊ぼう。


怖くないよ?



女の子が、ひゃっ、と喉の奥で小さな声を出した。



「や、えっとその、デ、デートって、そんなっ! わたしではセンパイに釣り合わないですし、まだ授業ありますし、放課後ちょっと行く場所ありまして、すみませんっ!」


「え……」