「きゃんっ! ご、ごめんなさい!」
黒髪ショートボブの、色白な子だ。
華奢な体つきで、めくれたスカートから、ほっそりした太ももがのぞいている。
目を惹かれた。
かなりの美少女。
しかも、おれを見上げる両眼が不思議な色をしている。
金とも銀ともつかない色合いで、光を反射する。
両眼とも胞珠だ。
まるで、見事なカットがほどこされた大粒のダイヤモンド。
「だいじょぶ? どっかケガしてない?」
おれは女の子の前に膝を突いて、ニッコリしてみせた。
神秘的な色の目に反して、女の子の表情がクルッと変わる様子は、ごくありふれていた。
「すみません、わたし全然大丈夫ですけど、むしろケガなかったですかっ? というか、ケガなくても痛くなかったですか、すみません!」
「おれも全然大丈夫。急いでた? 前見てなきゃ危ないよ~」



