でも、次に会ったら、おれにはすぐわかる。


異様にしなやかで素早い身のこなしも、細い体から放たれるチカラの色や圧も、おれは全部覚えてる。



近いうちにまた会えるって、確信がある。


そんときにはさ、どうしたらいいかな?



「ねえ、姉貴を殺したの、あいつ?」



おれは唇の内側でつぶやいた。


もしも姉貴が「うん」と答えるなら、さて、おれはあいつにどんなお返しをしてやろう?



答える声は、もちろん、ない。


まぶたの裏側に思い描く姉貴は、目を見開いたまま、ずっと死んでいる。