あと三つの宝珠、青獣珠《せいじゅうしゅ》と白獣珠《はくじゅうしゅ》と玄獣珠《げんじゅうしゅ》のありかは、知ってはならないことになっている。


先代の預かり手だったひいばあちゃんが、おれに長江家秘伝の古文書を遺してくれた。


そこに預かり手の心得や役割、禁忌について書かれていた。



宝珠は人の願いを叶えて奇跡を起こす。


願いや奇跡なんていうキレイな言葉を使えば、何とも素晴らしい響きだけど、実際のところ、麗しい話でもなんでもねぇんだよ。



人間は欲張りだ。


カネがほしい。地位がほしい。名誉がほしい。


酒池肉林の豪遊天国がほしい。


ちょっと手を汚して代償を差し出すだけで、そんな欲望が叶えられるのなら、深みにハマっちまうバカ野郎が現れるのも当然だろう。