「それじゃ、行こっか!」 俺は座っていたベンチから立ち上がった。 それと同時に、エミリーも本を鞄にしまい腰を上げる。 「今日は雨降るんでしょうか?」 空を見上げながら、エミリーが問いかけてきた。 「梅雨だから、降るかもしれないね?」 微妙な空模様に苦笑しつつ、俺はそう返事をした。 そんな会話をしながら、じめじめした暑さの中二人で歩き出した。