「あの、コレ……ですよね?」




差し出されたのは、

見慣れたパッケージのカフェオレ。



私が毎日飲んでいる物だ。





「あ、そうです。ありがとうございます」





そう言って、それを受け取る。



売り切れたかと思った商品が手に入って、

不意に口元が弧を描きそうになった時……。




「しゃ、喋っちゃった……。

嗚呼、なんて幸せなんだろう」




「は?」





聞こえてきたのは、

気持ち悪いくらい荒い息と意味不明な言葉だった。