ー3年後ー



「明莉ー!記録更新!」



8月の夏休み、



グラウンドに遥の声が響く。



私たちは中3になり、



陸上部最後の大会に向け練習している。



小6でフラれたけどまだ私は遥が好き。



この気持ち伝えたいけど、



フラれてるから言えない。



「ふふん。私、そこらの男子より速いよね。」



自分で言うのもなんだけど、



足はだいぶ速い方だと思う。



「そこらの男子って、俺も入ってんの?」



遥が笑いながら聞いてきた。



「もち。」



正直、遥より速い自信がある。



「いやいや、さすがに俺の方が速いから。」



遥は自信たっぷりにそう言った。



「まぁ、そうゆーことにしといてあげる。」