「っ……、茜っち!」
「……!」
逃げ出したものの、二階の踊り場で運悪く彼に捕まってしまう私。
「それ、どうしたんだよ!」
いつもよりキツイ口調で私を問い詰める彼。
私は首をブンブンと横に振る。
お願い……、いじめられてるなんて思わないで──。
「……誰かにそれやられたのか!?」
「……っ」
だけどそんな願いは叶うことなく、彼に勘づかれてしまった。
……これで、私たちは終わりかな。
友達じゃなくなっちゃうのかな。
彼にバレた私は上履きを抱えながら、そんなことを考える。
友達がいじめられてる人なんてイヤだよね。
だって……たったそれだけで、自分が標的 (ターゲット) にされることもあるんだから。
きっとこれで、彼と私の関係は終わりだ──。



