キミへの想いは、この声で。


仕方なく靴箱前に戻ってくると、ふとあるものが目に入り立ち止まる。


靴箱の上に置かれている、クラスが書かれた水色のバケツ。


まさかと思いながらも、そのバケツを手に取る私。


そこには、プカプカと水に浮かぶ上靴の姿が。


「……っ」


上靴の踵の部分には、〝佐藤〟と名前が書かれていて、私は息をすることを忘れてしまいそうだった。


……なに、これ……。


私は震える手で、水の中に手を入れる。


雑巾などが洗われたその水はとてつもなく汚くて、時々手の甲に当たるホコリで私の顔は歪んでいた。


やっとの思いで上履きを取り出すと、私は上履きとバケツの両方を抱えながら、手洗い場へと急いだ。