キミへの想いは、この声で。


そこからは、私の説明を頼りにひーくんは作っていった。


私も説明と同時進行で作り上げていく。


「……で、ここからどうするんだっけ?」


「この糸をこっちの糸の上に四の形になるように重ねるんだよ」


「あー、そうだった。ありがとう、茜っち!」


「うん!」


ひとりで黙々と作るミサンガもいいけど、友達と……ひーくんと作るミサンガは今までで一番作っていて楽しいと思えた。


……だから、気づかなかったんだ。


廊下の壁にへばりついて、こちらを睨みつけている人物がいることなんて……。





「うっしゃー!終わったー!」


「やったね、ひーくん!」


初心者は三時間半以上かかると言われているのに、ひーくんは二時間半程度で作り上げることができた。


嬉しくて思わずハイタッチをする私たち。