……意外。


ひーくんなら青色取ると思ったのに。


「そしたら、どーすんの?」


「これだけあるから、ピンクなら薄いのと濃いのをそれぞれ二色ずつ選んでほしいの。

あ、色は被らないようにね」


「わかった」


そう言った彼が好みの色を探しているあいだに、私もそっと青色の糸を四色手に取る。


……上手くできたら、ひーくんにあげよう。


「じゃあ、準備ができたら、これをこうして──……」


ひーくんに説明しながら、自分の分も進めていく私。


私が今から作ろうとしているのはV字のミサンガだから、今日中には終わらなさそうだけど、ひーくんはそれでもいいって言ってくれたんだ。


糸の長さを自分の腕に合う長さにして、キュッとまとまった八本の糸をセロハンテープで机に固定する。