──そして、放課後。


朝のときと同じように、ふたりきりの教室になったところで、ひーくんが私の机に糸を散らばした。


「すごい数あるね……」


「あー、ばあちゃんに余った糸もらってきて……」


頭をかきながら、そう説明する彼。


「そうなんだ。

だからこんなに……」


ひーくんが持ってきた糸は、本当にすごい数で……。


赤色、ピンク色、オレンジ色、黄色、水色、青色、黄緑色、緑色、紫色、白色、黒色……全部で十一色もあった。


一色につき薄いのと濃いのとで四色ほど色を持ってきたみたいだから、全部を合わせると本当にすごい数になる。


「じゃあ、早速作ろっか」


「おぅ!まずは、どーすんの?」


「この中から好きな色を選んでくれる?」


「んー……じゃあ、これ」


そう言って彼が手を伸ばした色は、ピンク色。