ふいにポケットの中に入れているミサンガに手を伸ばす。


そこには、いつもと変わらぬミサンガの手触りがたしかにあって……。


あれ……?


イヤな予感がして、目の前に川島くんがいるとわかっておきながらも、ポケットからミサンガを取り出す私。


う、ウソ……!


青色のほうしかない!


私の顔から一気に血の気が引く。


どこかに落としたの!?ウソ……。


私は尋常じゃないほどにガタガタと震えだした。


ミサンガを片手に震えだす私を見て、川島くんはなにも言わず、ただ落ち着かせようと背中を擦ってくれた。


しばらくして私が落ち着いたことを確認すると、「そこのベンチに座ろうか」と優しい声で川島くんは言った。