キミへの想いは、この声で。


すると四段ほど上ったところで、後ろにいる茜が声をあげた。


「優乃ちゃん、もしかしたらふたりとも、あそこにいるんじゃない?」


「あそこ?」


茜に言われても、まったく検討がつかない私。


「みんなが絵の具セットとか置いている四階と五階のあいだの踊り場!

あそこ、普段は誰もいないから、徳原くんとよく行くんだって颯太くんに教えてもらったことがあるの」


五階……。


そういえば、直樹たちはよく意味もなく階段上ってたな……。


「……よし、じゃあそこに行くよ!」


「うん!」


私たちは再び足を動かすと、五階までの長い階段を上った。





「……いた」


屋上への入り口として塞がれている扉の前に、ふたりは体勢を崩して床に座りこんでいた。