キミへの想いは、この声で。


すると、そんな私たちのところに、見覚えのある人が通りかかった。


「あ、加藤!」


「おー、緑川。久しぶり」


軽く手を上げて、ニカッと笑う彼。


彼、加藤翔馬 (しょうま) は、颯太や直樹と同じバスケットボールクラブに所属している二組の男子。


バスケットボールクラブと一口にいっても、外のクラブではなく、学校のクラブ。


私もバレーボールクラブに入っているんだけど、時々同じく体育館でやってるふたりに話しかけることがあるんだ。


そのときによく一緒にいるのが、この加藤。


ふたりをきっかけに、加藤ともクラブの時間、時々だけど話すようになった。


それだから、一応彼とは少なからず接点がある。