「え、全然揃わないんだけど」
手札を見つめながら、優乃ちゃんが不服そうな顔でぼやく。
「俺、五枚ー」
「俺も、五枚」
「……ふたりとも、少ないね」
隣で喜んでいる颯太くんとひーくんの様子をうかがいながら、ちいさな声で呟く私。
「ヘヘッ。俺と陽太が一、二で上がるかもな」
「フッ。それで、最後に残ったら笑える話だな」
二枚のカードを場に捨てながら、徳原くんはからかうように言った。
「直樹!それは言っちゃダメ!!」
「本当のことだろ。
……ま、せいぜい頑張れよ」
「~~~~っ!」
徳原くんのバカにしたような笑みに、頬をプクッと膨らませる颯太くん。



