「……茜っち、本当にごめん」


ベンチでココアを飲んでいる最中も、ひーくんは私に謝り続けた。


それに痺れを切らしたのか、颯太くんがガタッとベンチから立ち上がり、ひーくんに向かって言った。


「陽太、しつこい」


「いや、だって……」


「本当に悪いと思ってるなら、茜の話を聞いてあげなよ。

俺が通訳でもなんでもしてやるし……」


「颯太……」


颯太くんはひーくんから視線を外すと、今度は私の目に視線を移動させた。


「茜。話しなよ。

思っていたこと全部」


そう促されて、なにを言えばいいのかわからなかったけど、出来るだけ思っていることをひーくんに伝えた。