【side 陽太】


息を切らしながら、昔住んでいた俺の家へと向かう。


昔から変わらない三軒並んだ家を見つけると、手前の家になにやら人が集まっているのが見えた。


暗くてわかりづらいけど、多分あれは直樹と颯太……。


もうひとりは、優乃か?


目を細めて、じっと見つめる。


……いや、違う。


あれは……、あの子は──。




『ひーくん!』

いつも、俺の隣で笑ってたヤツで……。


『……もう、その名で呼ぶな』

俺が傷つけた、大切な友達──……。




茜っちだ……。


颯太といるってことは、颯太はちゃんと俺との約束を守ってくれたんだな……。