「おい、颯太。さっきから、佐藤となに話してんだよ」
徳原くんが少し不機嫌そうに颯太くんに話しかける。
「いや、なんもない!なんも話してないから!」
大げさに両手を胸の前で振る彼。
すると、その様子を黙って見ていた優乃ちゃんが私の手首をグッと掴んだ。
「……ちょっと、茜と話したいことがあるから、ふたりはここで待ってて」
そう言うと、優乃ちゃんはブランコ乗り場へと向かった。
ふたつ設置されているブランコに、それぞれ腰かける私たち。
「……ねぇ、茜。さっき颯太となに話してた?」
じっと真剣な瞳で私を見つめる優乃ちゃん。
『りょうおもいとかりょうかたおもいとか話してたけど、意味がちょっとわからなくて……』
私が困ったように言うと、優乃ちゃんはブランコから立ち上がり、私の前へとやってきた。



