「颯太と佐藤も、これ。
……佐藤の飲み物は俺が勝手に選んじゃったから、好きなやつじゃなかったら、ごめん」
そう言って彼が手渡してきた飲み物は、優乃ちゃんと同じアップルジュースだった。
『ううん。私もアップルジュース好きだから、嬉しい。
……けど、私今お金持ってなくて……』
「あー、金なら気にしなくていい。
佐藤には、この前のクレープの借りもあるから」
「……直樹、俺もお金持ってないんだけど……」
「あー、金のことは気にすんな」
徳原くんはそう言うと、手に持っていた缶ジュースのプルタブをプシュッと開けた。
「直樹……、ありがとう」
『徳原くん、ありがとう』
私と颯太くんは、徳原くんに感謝の言葉を伝えると、同時に缶ジュースのプルタブを開けた。



