『……ひーくん?どうしたの?』


『……もう、その名で呼ぶな』


聞こえたのは、とてつもなく低い声。


『え……、なんで?ひーくん!』


『……俺は、茜っちのこと嫌いだから。それじゃあな』


『待っ……』


……声が出ない!なんで……!?


今呼び止めないと、ひーくんが行っちゃうのに……。


ひーくん……、ひーくん……。


『待ってよ、ひーくん!!』


────

──


「……ね!茜!大丈夫か!?」


肩を揺さぶられて、ハッと目が覚める。


今のは……、夢?


「……茜、うなされてたけど、大丈夫?」


うなされてた……?


……そっか。


私今、ひーくんの夢、見てたんだ。