──カーン。
「よっしゃー!」
甲高い金属音とともに、優乃ちゃんの喜びの声が届く。
優乃ちゃん……、缶蹴れたんだ……!
よかった……。
と安心していたのもつかの間。
「茜、見っけ」
その一分後には、私が見つかってしまった。
慌てて立ち上がって、缶に向かって走ったけど、颯太くんの足が速くて敵わなかった。
少しだけ悔しい気持ちになったけど、
「ヘヘッ。今回は俺の勝ちだな!」
ニカッと笑うキミに、そんな気持ちはすぐに吹き飛ばされてしまった。
颯太くんの笑顔は、まるで魔法……。
いつも、心がほわっと温かい気持ちになる……。



