ちいさな公園だけど、遊具はそれなりにあって、私たちは颯太くんから死角となる滑り台の後ろに隠れた。


……そういえば、徳原くんはどこに隠れたんだろう?


「あ、茜。奥に隠れて!」


慌てたように小声でそう言う優乃ちゃん。


もしかして、颯太くんが来たの?


直感でそう思った私は言われたとおり、奥に進んだ。


「優乃、見っけ!……わっ!」


「缶を守るまで、私を見つけたことにはならないよ、チビ!」


「なっ!優乃、言ったな!!」


言い合いになったふたりは、すぐに缶に向かって走りだした。


二人分の素早い足音が辺りに響く。


優乃ちゃんが助かりますように……。


祈るように指を絡める私。