変なやつって、思われた……かな?


そっと彼を見上げると、案の定驚いた表情 (かお) をしていて、少しの沈黙が流れたあと、彼は口を開いて私に問いかけてきた。


「佐藤さんって、手話できるの?」


その質問に答えるか答えまいか悩んだけど、結果的に私はその問いかけに頷くことにした。


「……じゃあ、これからそれで会話しよう」


彼の言葉に驚いて顔をあげると、彼の顔は真剣そのものだった。


「俺、日常会話の手話くらいならできるし、それ以外のことはこれからどんどん覚えていくからさ、だから……」


そこまで言うと、彼はしゃがみこんで私と目線を合わせた。


「俺と友達になろうよ!」