颯太くんの言うとおり、すぐに戻ってきたなぁなんて考えていると、優乃ちゃんは足早にこちらへとやってきて、私の頭から颯太くんの手を退けた。
「茜に変なことしないでください」
「なっ!してないから!」
優乃ちゃんの発言に顔を真っ赤にさせる颯太くん。
「茜、行くよ!」
優乃ちゃんは私をイスから立ち上がらせると、私の手首を掴み、そのまま扉へと向かった。
「……わっ!直樹……」
「よう……。……なにしてんの、お前ら」
扉を開けてすぐに徳原くんと鉢合わせした私たちは、彼に冷たい視線を向けられた。
「どうもこうもないの!直樹!
颯太が茜に……」
「どーでもいいけどさ、お前なんかしたの?」
優乃ちゃんが話し始めた途端、言葉を遮る彼。



