それなのに、私はつい考えてはいけないことは考えてしまう。
────『颯太が小二のときに離婚することになった』
颯太くんは、今どんな気持ちでいるのかな……。
「……でさー、……茜?どうかした?」
私がボーッとしていたからか、颯太くんは心配そうに私の顔を覗きこんでいた。
『大丈夫、なんでもないよ』
必死でなんでもないことだと伝える私。
「本当に?……本当になにもない?」
だけど今回は、上手く誤魔化せなかったらしい。
颯太くんは私の目をしっかりと捉え、もう一度確かめるかのように問いかける。
『うん。本当になんでもないの』
……こういうとき声があると、ウソかホントか見抜かれちゃうんだろうな。



