『ひとりがアップルジュースでふたりがカルピスだって』
「わかった。茜はなにがいい?」
『私も、アップルジュースがいいかな』
「わかった。あ、あとごめんね。
クレープとジュース両方持つのはさすがに無理があるから、ジュース持つの手伝ってくれる?」
『うん、わかった!』
私は大きく頷くとお母さんと一緒に、自分の番が来るのを待った。
それからしばらくして私たちの番がやってきて、お母さんはみんなが頼んだものを間違えることなく注文した。
私は定員さんからジュースを四つ受け取ると、みんなの元へと急いだ。
「あ、茜。おかえりー、ジュースありがとう!」
「ありがとう、佐藤」
「茜、ありがとう」
颯太くんはお礼を言うとグータッチを求めてきた。
……グータッチ。久しぶりだな。
なんて思いながら、いつかのとき同じように拳をぶつけあった。
みんなにジュースを配り終えると、お母さんもやってきて私たちにクレープを手渡した。



