「じゃあ買ってくるから、みんなはそこのベンチにでも座って、待っていてね」
『お母さん、私も運ぶの手伝う』
クレープ四つをひとりで運ぶことが大変だと思った私は、すかさずお母さんにそう伝えた。
「心配してくれてありがとう。
でも、大丈夫よ。
茜もベンチに座って待っててね」
いつものように優しく微笑むと、お母さんは長蛇の列に並びに行った。
「茜、ありがとう」
四人掛けのベンチに腰を下ろすと、優乃ちゃんが嬉しそうにお礼を言った。
『ううん、私がお礼したかっただけだから。
私の方こそありがとう』
はにかむようにお礼を言うと、優乃ちゃんも嬉しそうに微笑んだ。



