『うん。いつも私に優しくしてくれるみんなにお礼がしたくて……』
私の言葉にお母さんは目を丸くしたけど、すぐに優しい笑みに変わった。
「わかったわ。
茜の気持ちはよくわかったから、早くそのお友達を連れてきなさい」
『うん!』
私は元気よく頷くと、すぐにみんなの元に戻り、そのことを話した。
だけどみんなは、お金のことを気にしてためらっている。
こうなることはわかってはいたけど、でも……、みんなにはどうしてもお礼がしたい。
そう思ったちょうどそのとき、後ろから声が聞こえた。
「この子たちが茜の友達?」
振り向くとそこには先程と同じ優しい笑みを浮かべたお母さんがいた。
「初めまして、茜の母です。
いつも茜と仲良くしてくれてありがとうね」
お母さんの言葉に、その場にいた全員が照れくさくなって顔を赤くした。



