「……そうだね」
15歳で別々の道に進んだ私たちは、21歳になって、出会った土地とは違う場所で再会をした。
あの頃子供だった私たちは、大人になったのだ。
当時は、別れの意味なんて知らずに、同じ県内にいるんだから、どうせまたすぐ集まるだろうなんて思っていた。
けれど、高校に進めばみんな、高校の友人といるのが当たり前になって、だんだんと疎遠になり、気が付けばつながりはSNSだけになっていった。
青信号に代わり、歩き出す。
都会の匂いに鼻が慣れたころ、柔らかい夜風が頬を撫でた。マリンの香りが鼻腔をくすぐる。その犯人は、私の左隣を歩く人物。
―――――翔の香りだ。
「……」
私は、隣を歩く翔を見上げた。
だけど、すぐに視線を前に戻した。
私の知らない横顔が、なぜか怖く感じたのだ。



