罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。



「久しぶり、だね」

私より数十センチ高い翔を見上げる。

それに私は違和感を覚えた。


「うん。……久しぶり」


翔は少し戸惑いながら口角を上げた。

聞きなれない低い声が鼓膜を震わす。


『久しぶり』だなんて言葉小学校1年生から中学2年生までずっとクラスが同じだった翔と、交わしたことがあるだろうか。

当時、家族よりも長い時間を、教室という空間で翔と共有していた。

交わしたことのない言葉に戸惑ってるのは、どうやら私だけじゃないみたいだ。

翔は視線をそらして、左手で自分の髪の毛をわしゃっと掻き乱した。

こんな状況で戸惑わず平然でいる方が無理に決まってる。

まさか、こんなところで再会するなんて。