翔は自分が立っていたドア付近の一番端の場所を譲ってくれた。 翔が立っていてくれたおかげでスペースはきちんと確保されているし、何より、私の前に翔が立っていてくれているおかげで、他の人に押されることも無くなった。 「ありがとう……」 「……おう」 低い声。 高い背。 茶色の髪。 ピアスの穴。 大きな手。 筋肉質な腕。 全部、私の知らない翔だ。