「夜の見回りですが…気になることがあるので俺が行きます。」
「待て、それなら私も行く。」
…あの事があってから、みんな俺を1人にしようとしない。
もうどこへも行かせないという思いがヒシヒシと伝わってくる。
「大丈夫ですよエミリー、回るだけですから。」
ベッドから立ち上がるエミリーの肩に手を置き、ベッドに座らせた。
不満そうな顔をしながらもエミリーは納得したけど、条件が1つ“必ず帰ってこい”だった。
「わかりました」ともなんとも言わない俺にまたみんな不安気な顔をしたけど、できない約束はしたくない。
「…行ってきます。」
もう日付が変わる。
死神が……動き出す。
「あれ?CROWNの…どうしたんですか?こんな時間に。」
宿を出て少し歩くと、薄暗い路地裏から出てきたミシェルに出会った。
昼間とは様子が違って、目がうつろだ。


