「…すみません、行きます。」
力ないエミリーの手は簡単に外された。
「待てよ、レイン。」
俺の前に立ったアラン。
通さないつもりか…。
「…通してください。」
土砂降りの中、消えない炎。
アランの炎は…確実に強くなっている。
「力づくでも止める…レイン、戻ってこい…!」
その目は本気で俺を止めてしまいそうな目。
「…どうして、そんなに……」
わからない…
「レイン…俺は、お前にまだ勝ってねぇ!勝ち逃げなんて許さねぇからな!」
両手の炎は雨にも負けず、俺の方へ飛んでくる。
「…勝ち逃げなんて、しませんよ。」
「なっ、炎が…消えた…?」
影は全てを飲み込み、消し去る。


