「レイン、話は聞いたぞ〜!ぶっ倒れたらしいな!」



「レオン…お久しぶりです。その話しなら、もう1週間も経ちますけどね。」



相変わらずレオンはいくつかの香水の香りがする。




「全く…お前冷静に動きそうなのに無茶するんだな。」



レオンの大きな手のひらは俺の頭をガシガシと撫で回す。


それは例えるなら…いや、…違うか。





「レオンは長期依頼にいってたんですよね?」



「あぁ、結構厄介で少し時間がかかったけどなんとか終わらせてきたよ。」



レオンが厄介という依頼…か。





「レイン、CROWNには階級があるのは知ってるな?」


「はい。」




「…SS級がみんな最高だと思っている。でも…」




何かを言おうとしたレオンは、急に顔を歪めた。






「…レオン?」




顔を覗き込もうとすると、レオンはそれを拒否して立ち上がる。




「…ごめん、なんでもない…」






なんでもないわけがない



そう思っても、聞いてはいけない気がして俺はそのままレオンの背中を見ていた。