「……ン…く……レイ……く……レイン…くん!」




目が覚めると、天井を掴むように伸びていた手。


そして荒い呼吸。



…胸が苦しい。




「レインくん、大丈夫?!すごくうなされてたから起こしたけど…」




白衣を着たサシャは伸ばした手を握り、涙目。



「…大丈夫ですよ。」



手首に巻かれた包帯。


外せば…もう治っているだろう。





「でもまだここにいてもらうからね!」




よくまわりを見渡すとここはCROWNの医務室だ。


エミリーやリアムはどうしてるかな…。




「レイン!」



「レーイー!!」



勢いよくドアが開いたと思ったら1人はベッドに飛んできた。




「レイー!よかったー!!」




「リアム、重いです…」



リアムは渋々ベッドから下り、座ると鬼の形相のエミリーと目が合う。



ゆっくり近づいてくるから殴られるのかと思いきや、ふわりと温かい体温のエミリーに包み込まれた。




「心配、かけさせやがって…」




涙声のエミリーは肩を震わせている。



「…エミリー、怪我は大丈夫ですか?」