「うん、君たち3人ならS級も充分に行けるだろう。」


依頼内容の紙を一通り見てジルさんは判をおした。


「ありがとうございます、では東の街まで。2日で終わらせてきます。」




金髪を一つ結びにして、エミリーはやる気満々。


一方リアムは大量のお菓子を持っていくと聞かない。



「…私の分も入っている。」



“だから持っていくのを止めるな”と言わんばかりのエミリー。



「はぁ…邪魔になっても知りませんよ?」




「「お菓子は邪魔にならない!!」」



車の席から乗り出してエミリーとリアムは反抗した。



…さすが甘党。




「エミリー様、リアム様、レイン様。そろそろ着きますよ。」




「シエラ、いつもすまないな。」



「いえ、実戦での加勢が出来ないのでこれくらいは。」





ここから色々乗り継いで東の街まで行く。



今回の依頼者の場所は少し遠く、着くのは昼過ぎくらいだろう。




「では私はこれで。…レイン様、エミリー様とリアム様の戦闘の際はお気をつけて。」




車に乗り込む前にシエラに耳打ちされた言葉が気になる。




…という俺のモヤモヤもすぐに解消されるのだった。