「愚かなる人間よ。…私の目を返してもらおうか。」



まさか、あの死神の目とエシリアの左眼はまだ繋がっている…?



「行け、お前ら。」



街人は人間の姿をやめ、死神本来の…全身黒を身に纏った。




だから黒髪や黒服は“死神”と呼ばれあまり好まれない。





「っなんだこれ…体が、動かな…い…」




大鎌とまでは行かないが、死神は1人1人の鎌を持つ。



大鎌を持つものはS,SS級に分類される。





「エシリアの目からは、引いてください。」




死神は左眼の爪を刺す行為をやめない。




「じゃあお前の左眼を…寄越せ。」



こちらに手を伸ばす死神。



別に避けもしない、だってもう動けないだろうから。





「貴様…!なにを、したっ!」




手、胴、首、足に影が絡みつく。




「あなたがエシリアの闇。…ならば俺はそれを祓います。」




「くそっ!せめて、左眼を…使えなくしてやる!!」




最後の力を振り絞り、死神は爪を左眼につきたてようとした。







「…影に飲まれろ。」





地面に広がる影におちた死神は、もう2度と姿を見せることは無いだろう。