「ジル様、レイン様がお着きになられました。」



一際豪華な扉をノックする女の人。



…そういえばまだ名前聞いてないな。




「入っていいよ〜。」



本部の長だから、どんなに厳つい人かと思ったら…




「君がレインくん?いらっしゃ〜い!まってたよ!」




優しい“お兄さん”みたいな人。




「…ご挨拶が遅れました。私、当本部の全面サポーターのシエラと申します。」



シエラは深々と頭を下げ、席について資料に目を通し出した。



「いや〜急に手紙出したのによく来てくれたね、嬉しいよ。」




事の始まりは2日前。



“CROWN本部より。”

そう書かれた手紙がポストに入っていた。




CROWNといえば、対死神討伐の集団で有名。





中身は見なくてもわかっていたから今も封は開けてないまま。


日時は表に書いてあったしね。




「…いえ、少しでも力になれるのならいいんですが。」