「レイン、エミリーとリアムが帰ってきたぞ!」
朝からアランのテンションが高いなと思ったら…遠くに依頼に行っていた幹部2人が帰ってきたのか。
「エミリー、リアム…有名な双子ですね。」
よく2人で依頼をこなす、CROWN1のペア。
「あぁ!エミリーは俺の、憧れなんだ。」
憧れ…
「…よかった、ですね。」
憧れなんて…抱くものでは無いよ、アラン。
憧れとは虚しいもの。
「お前がレインか?」
ジルさんに呼ばれ、部屋に向かう際気配も感じなかったのに後ろから急に呼ばれた。
「…はい。」
「話は聞いている。初っ端からS級をアランとふたりでこなしたそうじゃないか。」
エミリーは長い金色の髪を横に流す。
…反射して、目を瞑りたくなるほど眩しい。
「よくやったな。私も最初はA級から入ったというのに。」
目を瞑ると頭をガシガシと乱暴に撫でられる。
想像していたよりエミリーは優しい人のようだ。
…噂は噂に過ぎなかった、か。
「後でリアムを挨拶に向かわせる。今から任務だろう?頑張れよ。」
弟思いでも有名なエミリー。
…双子とはそういうものなのだろうか。


