「…此処か。」



1枚の紙切れを片手に、古びた洋館の門をおす。



錆びた音がうるさく響くが、ここにはチャイムも何も無いのだから仕方ない。




門から少し歩いてやっと洋館の扉の前に着いた。




「重…」



門といいここといい、ここの扉は重すぎる。




「…レイン様?!」




体全部を使って扉をこじ開けると、知らない女の人が近づいてきた。



…様って何だ、様って。




「約束の時間までまだ1時間も…」




「あぁ、その事なら…早めに用が済んだから来ました。」




迎えに来ると言われていたけど、一々来させるのも面倒だし。





「その扉と門は死神封じがしてあるのですが…よく開けられましたね。」



流石は死神討伐ギルドの本部。



結構強く封じてあったな…手が痛い。






「ジル様がお待ちです。こちらへ。」




前を歩く女の人の後をついていく。


本部は外装とは違い、内装は綺麗でとても広い。